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株式会社オンワードデジタルラボさま

  • by

代表取締役 社長 山下 哲さま メンバーズ推進Sec. 課長 高橋 振一郎さま

<支援内容>
・汎用データマート作成
複数にわたる購買データ群を整理し、シンプルなSQLでもデータを抽出できる分析環境の構築を行った(汎用データマートの構築)。

<会社概要>
オンワードグループ公式通販サイトの運営や、デジタルマーケティング/プラットフォーム事業等を通じて、グループ全体のDX推進を推進する事業会社。

・インハウスコーチング(SQL&BIツール)
同時にSQL・BIツールのコーチングを行い、シンプルなレポートを内製で作成できるようにスキルアップを行った。

【はじめに】

Q1.
まずはDWH(データウェアハウス)構築&インハウス運用化お疲れ様でした。
現在運用フェーズに入っていると思いますが、前段としてDWHの構築に
踏み切られた理由を教えてください。

(山下)
以前は店舗の購買データとECの購買データが完全に分断された状態でした。
弊社グループが展開するブランドの場合、元々は店舗で販売しているブランドを
ECでも取り扱うケースが多いため、
「双方向を回遊するユーザーを一気通貫で見ることができなかった」
というところが構築前までの課題であり、
今後「顧客軸で施策等を進めていくのには必須」という理由で実施に踏み切りました。

(川上)
まさにオムニチャネルの概念の部分ですね。

【構築時の質問】

Q2.
構築時に苦労された点は?

(高橋)
データ内容の理解と数値確認や突合データの確認などが一番大変だったと思います。
アーキテクチャの部分で、弊社ではインプット側のシステムが様々な
データをつなぎ合わせています。
まず、基幹システムが会社ごとに別々です。ECサイト基盤もほぼ全て別です。
さらにオンワード・クローゼットというモールでは、その会社の商品を
モールとして扱っています。
その全てのデータ構成がバラバラでのスタートでした。
それらのデータを全て統合する際に、一意に決まらない部分などを
確認するなどが最も大変でした。
確かに抽出時の分析テクニックなども大事なのですが、
それと同じぐらい自社のデータ内容の把握が苦労した部分でもあり、
大事なポイントだったと思います。

(川上)
確かにそうでしたね。御社のケースの場合はデータがサイロ化しているわけではなく
「ただただ複雑」という状況だったと思います(笑)
そこが構築の難易度を高めていたのは事実としてありました。

Q3.
「業務委託」と「インハウス」での作業切り分けなどの理由を教えてください。

(高橋)
知見のない部分に関しては、業務委託で外部にお願いした方が
良いのではないかと考えていました 。
一方で内部の要望や分析などは、インハウスで対応するように考えていました。
特にトライ&エラーを繰り返す部分などは、さすがに外部の方に
お願いすると時間がかかりすぎるためです。
データベースエンジニアリングなどに関しては社内リソースもないので、
「分析環境の構築」と「コーチング」の部分はPETS様にお願いしました。

Q4.
業務委託側に任せてよかった部分はどのような所ですか?

(高橋)
分析環境の構築とBI作成が一社でできたのは大きかったですね。
あと、そもそもの話になるのですが、自社のデータの格納形態なども
詳細までは確認できていなかったので、そのあたりのドキュメント作成や
検算作業などもお手伝いいただき、
気になる箇所などもリスト化していただけたのは大変助かりました。
自分たちだけでやるとなるとリソースも絶対足りなかったので。

(川上)
ここもですが、情報量が本当に多かったですよね(笑)

(高橋)
はい。あと一緒に作業してDB(データベース)の理解がとても深まりました。
毎週、宿題のように確認事項をいただいたので、社内のみで進行する場合だと
どんどん遅れるケースもありますが、しっかりオンスケジュールで進められました。
そのあたりは支援いただいてよかったと思いました。

(川上)
そこも実はあるあるのポイントですね。
確認事項を整理しないで事業者側に検算などをお願いした場合、
何を確認するのかが不明確になってしまうのでどうしても
確認に時間がかかってしまうのですよね。

(高橋)
はい。わからない部分を聞かれても答えるのは難しいですよね。
そこは客観的な指摘などを頂けて、こちらもミスに気づきやすかったです。
あと、気になる部分をまとめて頂けたので「これは関連部署への確認」
など次の手順がわかりやすかったです。
元々定義書にないエラーなども見つかるので、やっぱりこのタイミングで
「大掃除」っていうのは大事だなと思いました。

【運用を開始してみて】

Q5.
データウェアハウス運用前後で変わった部分はありますか?

(高橋)
当然これまで出せなかったデータや、エクセルで修正していたデータなどが
全部出るようになった部分などはあるのですが、
RDB(リレーショナルデータベース)の理解が深まったのは
すごく大きいと思っています。
実は今まで 正しいと思っていたデータが少しずれているなどの発見もありましたし、
それを訂正してしっかり分析できるのは大事だと思いました。
あと(DWH上でも)データが見えているのと見えていないのでは全然違いますね。

(川上)
可視化の部分ですね。

(高橋)
はい。 ただの表形式であっても関係性が把握しやすければ、
分析用途に広がりが出てくると思います。

Q6
人軸での分析が簡単&明確になりましたが、1to1などの施策含め
気づきや発見はありましたか?

(高橋)
サイトごとなどでは以前も確認はできていたものの、
会員全体で確認できるようになったのは大きいです。
直近でも、「新規客が多いブランド」だと思っていたら、
実は「あくまでサイト内での新規=すでに過去店舗で登録済みの会員が多い」
状態であったり、統合されたデータからでないと気づきにくいことも多かったです。
やはり統合されたDBでの会員分析のほうが視野は広がります。
あと、今後実施していきたいのですが、訪問データなども
全サイト統合して行ければと考えています。

(川上)
そうですね。まずは「購入時の分析」、その後「購入前後の分析」など範囲を広げていくと興味深いデータを見られますね。

(高橋)
はい。弊社グループの場合色々な商品を扱っていますので、
様々な商品からお客様へのタッチポイントを増やしていけますので、
そういった施策に転用していきたいと考えています。

Q7
今後データの活用は過去にもましてますます活性化していくと思います。
弊社がお手伝いさせていただいた部分はいわば「データの大掃除」的な内容でしたが、
その後インハウスで安定稼働できていますか?

(高橋)
今後も運用していく部分にはなるのですが、汎用データマートの部分に関しては、ロジックの詰めなどもかなり精度を高く作れたと思うので非常に活用できています。

(川上)
ルーティン業務はBIで自動化できたのでアドホックな分析に時間が
使えるようになったのも大きいですよね。

(高橋)
はい。アドホック分析でも、頻繁に見たい部分はBI作成し自動化するなどの流れも作れますね。

(川上)
はい。レポート自体をストックしていけるのでナレッジも貯めていけますよね。

【コーチングについて】

Q8
今回はデータ構築を終えてからのコーチング作業でした。
実データや実環境でのコーチングでしたのでOJTに近い環境のご支援だったと思います。
学習後すぐに実環境での利用はできましたか?

(高橋)
はい。元々経験者や初心者などいろんなメンバーがいましたが、
分からない部分もドキュメント化していただきましたので復習なども可能でした。
みんな結構利用できています。

Q9
SQLのコーチングではデータ抽出&加工に特化したプログラムで行いました。
汎用的なデータマートを作成しましたので比較的簡単なSQLでも
データ抽出が可能になったと思いますが、実務では問題なく活用できていますか?

(高橋)
はい。ドキュメント化もしていただいた上でのコーチングでしたので、
現在は新入社員研修などでも流用させていただいております。

(川上)
それは我々としても嬉しいです。やはり、ナレッジ化していくのは大事ですよね。

(高橋)
そうですね。せっかく取得したナレッジが継承できず途絶えてしまうのは
大打撃だと思いますので。
あと、副次的な話になるかもしれませんが、自社のデータにどのようなものが
あるのかなどを把握できる機会にもなっていると思います。
RDB(リレーショナルデータベース)の理解が進んでいると今後新しいデータが
入ってきても扱い方自体は分かるので。個人的にはもっとシンプルにコードを書けるなど、SQLの見直しもできているので、そういった部分でも勉強になってよかったです。

(川上)
はい。理解するポイントも何個かに分けられると思うのですが実環境で勉強できると
「事業理解」「マーケティング理解」「データ理解」などを同時に進めることができますよね。

(高橋)
はい。新入社員でも「これってなんだろう」という疑問が持てるのでそういった影響もあると思います。まずは「データを見られる」というのは大きいと思います。

Q10
BIツールのコーチングでは一部のメンバーは課題以上にかなりの作り込みをした完成品を提出頂きました。その後も様々なレポートを作成できていますか?

(高橋)
BI自体は重要指標の自動化などをメインで利用していますので、
1からの作成はあまりできていないのですが、視野を入れ替えるなど
編集の部分で色々な示唆が得られていますね。
今後は他グループ会社のBI作成などの展開も検討しています。

【最後に】

今回はご支援させていただきありがとうございました。
最後にコメントお願いします。

(山下)
データ活用は今後必須になってくると思います。
ただその先の「何がわかったのか?」「次に何をするのか?」の部分が本当は一番重要で、「データの分析感度」や「全体を見る力」などを使いこなせる人財が活躍できると思いますし、弊社としてもそういった人財を育てていければと考えています。

あと個人的には店舗のスタッフにデータという武器を持ってもらいたいなと思っています。
そういった会社の資産・リソースを最大限活用してお客様に良いサービスを提案できればなと思っています。

(川上)
店舗のスタッフにデータを提供するというのは本当に効果がありそうですよね。
実際に接する際に「事前にこの商品のページを閲覧していました」など背景が分かると
接客の質自体が大きく変わってきますよね。

今回はご支援ありがとうございました。
引き続きインハウスでの運用も応援しております。
また何か必要あるタイミングでお声がけください。